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【目的】オルソケラトロジーは、夜間に酸素透過量の高い特殊な形状のハードレンズを装用して、日中は裸眼で過すという画期的な近視矯正方法である。早期に裸眼視力が向上するため、その結果に満足されがちだか、本当に良い処方であったかは、長期経過観察して初めてわかるものである。今回我々は、同一者が処方後1年以上の期間に渡って経過観察できた症例についてまとめたので報告する。 【方法】平成15年3月25日より平成17年4月20日の期間にオルソケラトロジー治療を行い、365日以上経過観察できた24人47眼につぃて、詳細に調べた。 【結果】治療開始時の年齢は9〜39歳で平均年齢は14.0歳で、内訳は男性9人・女性15人で、平均観察期間は517.4日だった。開始時に軽度近視眼(-3.0D未満)17眼、中等度近視(-6.0D未満)24眼、強度近視(-6.0D以上)6眼であった。47眼中45眼が、治療により裸眼視力が1.0以上になった。しかし、最終受診日に裸眼視力が1.0以上のものは17眼に留まり、トポグラフィー上十分な効果があるようにみられたものでも、裸眼視力が1.0未満のものもあった。レンズの処方交換をおこなったものは6眼で、平均0.13回であった。装用を一時中止した合併症としては、表層角膜炎・アレルギー性結膜炎などがあった。全期間を通じて重篤な合併症はなかった。 【考察】長期にわたると効果が薄れる要因として、対象者の近視度数の増加やレンズの磨耗が考えられた。 【結論】オルソケラトロジー治療は、1年以上経過しても定期的に診察する必要があるように思われた。
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この発表直後、発表時間より長い沢山の質問を受けました。それは、この治療に対して沢山の眼科医が興味を持ちながら、わからないことが、まだ沢山あり、お互いに意見交換をする必要があることを如実にものがたってました。 学会終了後、今までの発表も加味しながら原著を執筆して、投稿しました。来年掲載されるのを目標に頑張っています。 『臨床眼科』の2006年4月号に掲載予定です。 (平成18年2月8日加筆掲載) |
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